予防接種について
当院では完全予約制にて接種を行っています。
お子さんの体調などで接種にご不安のある方・スケジュール通りに進んでいないといった方は、お気軽にご質問ください。
当院で接種できるワクチン
定期接種
瀬戸市・尾張旭市にお住いの方は無料で接種することが出来ます。
また当院は「愛知県広域予防接種協力事業協力医療機関」に登録していますので、瀬戸市・尾張旭市以外に在住の方も無料で定期予防接種を受けて頂くことが可能です。
ただし、その際にはお住いの市町村の保健センターに事前に申請をして頂く必要があります。
詳細はこちらをお読みいただくか、窓口スタッフにお尋ねください。
予防接種を受ける場合の同伴者について
予防接種を受ける場合は、原則、保護者(父、母等親権を行う者)の同伴が必要です。保護者がやむをえない理由により同伴することができない場合、お子さんの健康状態を普段から熟知する親族等で適切な者が同伴することができます。
この場合、接種の際には、予診票に加え、同伴者の同意をもって保護者の同意とする旨の委任状の提出が必要です。委任状は下記からダウンロードできます。
- ロタウィルスワクチン
ロタウィルスは赤ちゃんの嘔吐下痢症の原因として有名で、かつては脱水を起こして点滴を受けたり、入院する乳幼児がたくさんおられました。
ワクチンの普及でそうしたケースは激減し、日々ワクチンの効果を実感しています。
生後6週から接種できますが、肺炎球菌ワクチン・5種混合ワクチン・B型肝炎ワクチンと一緒に生後2か月になったら受けるのがよいでしょう。注射ではなく飲むワクチンなので、痛くないのも嬉しいですね。- 肺炎球菌ワクチン
ふだんは鼻やのどに潜んでいる肺炎球菌という細菌が肺に侵入すると肺炎を、脳を包む髄膜に侵入すると髄膜炎を起こします。髄膜炎は更に脳そのものに病気を起こして、後遺症や死亡の原因になります。以前には沢山のお子様が髄膜炎に罹っていましたが、肺炎球菌ワクチンが導入された現在はその数は激減しています。肺炎や髄膜炎のような重症な病気は、免疫力の弱い乳児期に多く発症します。ですから生後2か月という早期から肺炎球菌ワクチンを接種することが大切です。
- 5種混合ワクチン
肺炎球菌と同様に、お子様の髄膜炎の原因となるヒブという細菌のワクチンと、4種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオ)を一つにした5種混合ワクチンが、令和6年4月から定期接種に加わりました。これによりヒブワクチンと4種混合ワクチンの2本を接種していたのと同じ効果が、1本の接種で得られるようになりました。
- BCGワクチン
BCGワクチンは、結核菌に対するワクチンで、小児の粟粒結核や結核性髄膜炎などの重篤な病気に予防効果があります。瀬戸市・尾張旭市では令和6年4月から、BCGワクチンが医療機関で接種できるようになりました。
BCGワクチンは生後5か月から8か月の間の接種が勧められています(1歳以上では無料で接種することは出来ません)。当院では毎週水曜日に実施させて頂いていますので、お電話にてお申し込みください。- B型肝炎ワクチン
B型肝炎は、かつては輸血や性行為でうつる大人の病気と考えられていましたが、ウィルスに感染した方の汗・唾液・涙から感染してしまうことがあります。実際に輸血や性行為とは無関係に、保育園でお一人の感染源から集団発生したケースもあり、現在では生後2か月からの接種が勧められています。
- 麻疹・風疹ワクチン
麻疹は流行した場合、1000 人に一人は脳炎を発症します。「ワクチンをうたずに麻疹に罹ったけど無事治った」というのは、1000人のうちの999人を見ているに過ぎません。またワクチン接種率が下がるとそれだけ流行が起きやすくなり、より体力のないお子さんは重症になる危険性が増します。ワクチンを接種することは、ご自分のお子さんだけではなく、他のお子さんをも守る効果があることをご理解ください。
風疹は妊婦さんが罹ると、先天性風疹症候群という障害を起こす危険があります。
麻疹・風疹ワクチンは1歳と年長の学年に2回接種しましょう。- 水ぼうそうワクチン
麻疹と同様に、水ぼうそうも体力の弱ったお子さんや、免疫を下げるような特別な治療を受けているお子さんに罹ると、大変重篤になる危険性があります。
「あるお子さんがワクチンをうたずに水ぼうそうに罹ったけど、問題なく治った」ということと「すべてのお子さんが問題なく治る」というのは全く違います。
水ぼうそうワクチンは1歳から2歳のあいだに2回接種しましょう。- 日本脳炎ワクチン
日本脳炎は日本以外の東アジアから東南アジア、南アジアにかけての温帯地域、熱帯地域に広く流行していて、ワクチンの接種率が下がれば日本でも流行する危険性があると考えられています。3歳になったら早めに接種を受けましょう。
- 2種混合ワクチン
2種混合ワクチンは、乳幼児期に接種する5種混合ワクチンのうちジフテリアと破傷風を接種するものです。
男の子の定期接種はこれでお終いです。女の子は、以下の子宮頸がんワクチンの説明をご覧ください。- 子宮頸がんワクチン
日本では毎年約10,000人の女性が子宮頸がんを発症し、約3,000人の方が死亡されています。加えて毎年約1,200人の女性の方が、子宮頸がんのために妊娠が出来なくなっています。
積極的に子宮頸がん予防ワクチンを接種している欧米やオーストラリアでは患者数は激減して、その効果が証明されていますが、日本では副作用がセンセーショナルに報道されたため、接種をする方はごく少数です。
当初ワクチンの副作用とされた24項目の症状が、その後に名古屋市立大学の先生が中心になって行われた【名古屋スタディ】で、ワクチンを接種していない同年代の女性にも同じ頻度で発生していることが示されました。(残念なことにほとんど報道されていません。)
24項目の症状は(A)月経不順・関節や体の痛み・頭痛・倦怠感・集中できない・脱力・視力低下・学力低下・もの忘れといった“不定愁訴”的な軽い症状と、(B)体が自分の意思に反して動く・普通に歩けなくなった・杖や車いすが必要になった等の、一見“重篤”と思われる症状の2つに分けることができます。
(A)の症状がワクチン接種の有無にかかわらず、いつ誰にでも起こりうることは理解しやすいと思います。
(B)の一見“重篤”な症状も【名古屋スタディ】によって、ワクチンを接種していない方にも同じ頻度で起こりうることが示され、現在は「ワクチン接種による脳・神経や筋肉の異常」ではなく「心因性の反応」であると考えられています。
つまり、日常の出来事等をきっかけに様々な症状を起こしうる思春期という繊細な時期に、たまたまワクチンの接種が重なったために、副反応と捉えられてしまったということです。この文章を読んで、子宮頸がんワクチン接種に関心を持たれることを願っています。
任意接種
- おたふくかぜワクチン
おたふくかぜは「流行性耳下腺炎」と呼ばれることもあります。主な症状は発熱と耳下腺(耳の前~下方の部分)の腫れです。おたふくかぜは軽い病気と考えられがちですが、無菌性髄膜炎、脳炎、精巣炎などの合併症を起こすことがあります。また1,000人に1人の割合で難聴を発症してしまい、以前は原因不明の聴力障害とされていたものの一部は、おたふくかぜの後遺症であることが分かってきました。
就学期以降に罹ると症状が重くなりやすいため、1歳と年長の学年に(麻疹風疹ワクチンと一緒に)接種することが望ましいです。- インフルエンザワクチン
当院で扱うインフルエンザワクチンは2種類あります。
1つ目は従来通り注射による不活化ワクチン、2つ目は経鼻噴霧による生ワクチンです。注射ワクチン:従来のインフルエンザワクチン
インフルエンザウイルスの病原性をなくし、免疫を作るのに必要な成分だけを製剤にしたものです。生後6か月以上の全年齢の方に接種することが出来ます。13歳未満は2回接種が必要で、間隔は3~4週間空けることが望ましいです。経鼻噴霧ワクチン:フルミスト
鼻の中にスプレーで吹きかける形式です。免疫が作られるギリギリまで病原性を弱めたインフルエンザウイルスを使用しているため、自然感染に近い仕組みで免疫がついて、1回の接種で十分な効果が期待できます。注射と違って痛みがないことが利点ですが、弱毒化したウイルスを噴霧するため、免疫不全と診断されている方や免疫抑制剤を投与されている方、妊娠中の人は接種できません。また、接種後1~2週間は重度の免疫不全者との濃厚な接触は避けてください。
2歳から18歳の方が対象になります。13歳以上の方は注射ワクチンに比べて費用が高くなる点にご注意ください。
以下の接種料金となります。
おたふくかぜワクチン | 1回 5,000円 |
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インフルエンザ | インフルエンザワクチンの接種料金はHPやLINE等でお知らせします。 |
ワクチン同士の接種間隔
① BCG、麻疹・風疹、水ぼうそう、おたふくかぜを接種した場合
ⅰ)次に接種するのがBCG、麻疹・風疹、水ぼうそう、おたふくかぜのいずれかの場合のみ、4週間の間隔を空けてください。
ⅱ)次に接種するのがBCG、麻疹・風疹、水ぼうそう、おたふくかぜ以外のワクチンの場合には、接種間隔を空ける必要はありません。
② ロタウィルス、5種混合(Hib、4種混合)、肺炎球菌、B型肝炎、日本脳炎、2種混合、子宮頸がんワクチン、インフルエンザを接種した場合
接種間隔を空けずに、他のどのワクチンも接種することが出来ます。
これだけワクチンの種類が沢山あるのは、それだけお子さんの免疫力がまだ弱くて、ワクチンで護ってあげる必要があるからです。(高齢者になって免疫力が下がると、再び肺炎球菌ワクチンや帯状疱疹ワクチンを接種しています)
ワクチンを1回に複数本接種する【同時接種】は、お子さまに早く・確実に免疫力をつけるためにはとても有効な手段です。同時接種は一本ずつ接種するケースと比べて有効性も安全性も変わりが無く、デメリットはありません。
同じワクチンを複数回接種する際の間隔については、医師やスタッフまでお気軽にお尋ね下さい。
予防接種を受けるときの注意
⚠️接種を受ける際は、母子手帳をお持ちください!
【1】 体調のよいときに接種しましょう。
体温が37.5℃以上あるとき、体調の悪いとき等の接種はお勧めできません。 お薬を飲んでいるときは接種できない場合もあるので、接種時に必ずお知らせください。
【2】 感染症(ウイルス性疾患)にかかった場合
病気になった後に予防接種をする場合、その病気のためにワクチンの効果が悪くなる可能性があります。
以下は、およその目安として参考にしてください。
治ったあと、4週間程度あけるもの
麻しん
治ったあと、2~4週間程度あけるもの
風しん、おたふくかぜ、水ぼうそう、溶連菌感染症
治ったあと、1~2週間程度あけるもの
突発性発しん、手足口病、ヘルパンギーナ、インフルエンザ、咽頭結膜炎(プール熱)、 伝染性紅斑(りんご病)、単純性ヘルペス感染症、マイコプラズマ肺炎など
感染症にかかった兄弟やお友達と接触があった場合、本人がかかっていなければ、1~2週間くらい様子をみてください。 発病しなければ、接種可能です。